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ニンテンドードリーム! 略してニンドリ!
5月号にはなにやら大変なインタビューが載っているとツイッターで話題になっておりました。
あの山田孝太郎先生もイチオシするほど。
今日発売のニンドリ、読みましたが風花雪月ファンは必読ですね…!根本からキャラの理解度が変わってしまう(なぜそれ本編で言わないんですかー的な。笑)永久保存版ですね…!
— 山田孝太郎 (@yamadakotaro) 2020年3月21日
いわく「なんでそれ本編で言わないんですか」というくらいの情報が載ってるんだとか。
我々取材班はその実態を調査するため、南米へと飛んだーー。
▼ 【ネタバレ御免】風花雪月特集 〜フォドラの夜明け〜
というわけで、ここからはニンドリ5月号の開発者インタビュー内容について触れていきたいと思いますっ!
まだ風花雪月プレイしてないよーネタバレやめてーってかたはブラウザバック推奨です。
大丈夫なかただけ読み進めてくだされば。
▼ サイドストーリー(煤闇の章)で目指したもの
- 煤闇の章はもともと開発初期からあった「ガルグ=マクに地下迷宮を作る」案をオミットしたもの。
- ベレス、ベレトの母親についても同じく。
- サイドストーリーとして話がまとまったのは、開発終盤にかけて。
- インテリジェントシステムズの草木原さんが方向性を決めて、本編との帳尻合わせ等の脚色はコーエーテクモのスタッフさんが担当。
- 煤闇の章は完全なパラレルワールドではなく、一定の繋がりがある。
- 煤闇の章以外で出会うユーリスたち4人は「なんらかの方法で煤闇の章で起きた事件を解決している」世界線……らしい。
- 煤闇の章は「天帝の剣」を手に入れた直後くらいの時間軸。
- 4つの紋章は実装しない予定だった。
- 「揃わないピースを入れておくことで世界観に広がりを持たせるため」とは草木原さんの談。
- 使わない予定の紋章にもコーエーテクモのほうでちゃんと設定が練られていた。
▼ 緻密な世界設計とキャラクターたち
- 各学級は三国のイメージの縮図になっている。
- 帝国のイメージは「昔は栄えていたけど、だんだん国土が減って衰退期に入っている国家。特有の面倒臭さや我の強い貴族が多い」。イタリアをイメージしている。地名はドイツ語圏。
- 王国は「騎士の国なのでみんな真面目」。北欧イメージ。ガリア〜フランク王国などの雰囲気に変遷していく感じ。
- 同盟は「円卓会議による共和制だが、貴族同士が足を引っ張りあっていて決定力に欠ける国家。イロモノ揃いな人が多い」。
- エーデルガルトは「覇道」がテーマ。野望のために誰であろうと障害は凪倒していく道。
- ディミトリは「王道的」。一度堕ちたところから立ち直り真の王道へと目覚める道。
- クロードは本来裏で画策して、「憎めないけど悪い奴」という予定だった。出来上がりはピュアで良い人になった。
- ファイアーエムブレム 聖戦の系譜が好きな開発陣だったので、それを現代版にしようという構想だった。
- 前後編で劇的なことが起こるのも聖戦の系譜を意識したもの。
- 大河ドラマのように、風花雪月では長い歴史の一部分の事件を切り取ったもの。という位置づけ。
- インテリジェントシステムズ草木原さんはファンタジー戦記モノが好き。今回の風花雪月製作にあたって、宗教にも造詣を深めた。
- 開発資料では草木原さん作の、ストーリーで語られていないフォドラ年表がある。トータル1万年分は設定しているが、公表するつもりはないとのこと。
- ガルグ=マク大修道院のコンセプトは「要塞」。
- 地下の遺産を守るために築かれ、堅牢なイメージ。山岳地帯で厚い城壁の中に学生寮ができた、というのは初期の頃からあった。敷地全体に水を送れる水路など、単独で何ヶ月も籠城できるようになっている。
- レアさまが小動物好きという裏設定があった。
- 開発チームがその設定を拾って、浴室に動物の置物をおいていたらしい。わんにゃんだらけ。
- 追加アップデートのわんにゃんランキングや品種名などもコーエーテクモスタッフさんが提案してきたもの。熱いわんにゃん推し。
- 作中の料理は大航海時代の料理をモデルにした。 各地方で気候や文化がぜんぜん違うので、貴族や平民の営みが連想できるよう調整した。
- 魔法があれば温室で作れるものや、氷魔法でアイスができそう、などのファンタジーアレンジも加えている。
- 従来のFEでは大陸が舞台となることが多かったが、風花雪月ではあえて大陸とは言わないよう徹底している。
- 「大陸」というのは大航海時代以降に広まった考え方なので、閉鎖的なフォドラの社会では根付いていないという設定。
- 「フォドラの牙」「フォドラの喉元」みたいな地名は、きっとペガサスに乗って全貌を見たときに、フォドラの地図が竜の頭に見えたんだろうな……という解釈。
- シナリオチームの演出で、世界観に厚みを持たせるため難解な熟語やカタカナによる表記を避けるなど工夫していた。
- 逆に固有名詞などの造語はカタカナにして違和感を作ることで、メリハリを。
- ボイス収録時にも細かいイントネーションまでこだわった。
- 「シュヴァルツァアドラーヴェーア」は、シュヴァルツではNGが出た。
- 正しくツァと1発でできていたのは、バルタザール役の木村昴さん。なんでも、ドイツ育ちなので馴染み深かったんだとか。
▼ 幻の設定や真実まで
- 級長が抜ける銀雪ルートが一番難易度高めに設定されていた。
- 紅花ルートは裏ルート的で、本当はもっと分岐しづらくするつもりだった。今は想定の3倍ぐらい行きやすくやっているんだとか。
- ベレスベレトはプレイヤーの分身なので、あまりプレイヤーの知らないことを喋るキャラにはしていない。世間知らずで周りから教えてもらうという形をとった。
- 従来のFEにはない「女性が覇道を征く」意外性をエーデルガルトで作った。ただし、帝国=敵側というのはシリーズのお約束として踏襲。
- エーデルガルトが血の実験を受けたのは、幼少期のディミトリと分かれた後からゲーム開始まで……だが、アガルタの最高傑作といわれているのでリシテアの実験よりも後だと想定している。
- エーデルガルトは主人公と同格のライバルとして設定していたため、炎の紋章を持たせた。本来は天刻を使うと邪魔されるなどの案もあった。現在は主人公とのドラマ性を深める機能として落ち着いた。
- ディミトリの眼帯は本来のデザインではなかった。5年後に変化を大きくつけるために採用。
- 眼帯は「酷い目にあってきた象徴」なので、王国が帝国に侵略されていない紅花ルートだけ両眼が健在。
- クロードの名前はフォドラでの偽名。本名はカリード。どこかでナデルに本名を呼ばせるシーンがあったが、製作の都合上カットになった。
- クロードのモデルは、銀河英雄伝説のヤンとアルスラーン戦記のラジェンドラ。2人を掛け算したイメージ。
大まかにインタビューで触れていた内容をさらってみました。こんなところでしょうか。
戦記モノが好きなぼくとしては、やっぱり世界観の作り込みの話が読んでてすごく楽しかったですね……大航海時代を下敷きにしてるお話、すごい熱量だ。
フォドラの知られざる年表とか、なにかの機会にまた話してくださらないかなぁ。
それだけで延々と聞いていられそう。